コラムvol.022【家族も、支援の一部です】

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こんにちは、介助犬導入相談専門員の川崎元広です。介助犬導入相談専門員として、日々さまざまなご相談をお受けしています。介助犬との暮らしは、ご本人の自立を支えるだけでなく、ご家族の生活にも新しい変化をもたらします。

今回ご紹介する事例は、その過程で感じた「家族と支援のあり方」について、多くの学びを与えてくれました。少しでも皆さまの参考になれば幸いです。

【介助犬導入は“犬との暮らし”だけではなく、“家族の新しい形”を作る一歩です。】

今年の夏、ある60代の男性から介助犬導入についての相談を受けました。脳卒中による後遺症で片側に麻痺が残り、日常生活では杖を使って歩行しています。動物が大好きで、健康な頃には複数の犬を飼っていた経験もあり、介助犬への関心と導入意欲は非常に高く感じられました。

面談では、ご本人の明るさや前向きな気持ちが強く伝わる一方で、その背景には「できるだけ自分で頑張りたい」という思いと、「まだまだできる」という強い意志が感じられました。しかし、介助犬の導入はご本人だけの決断ではありません。生活を共にするご家族の理解と協力が欠かせません。

今回のご相談で印象的だったのは、奥様の存在です。日々、家事や仕事に加えてご主人の介助も担っており、その負担は決して小さくありません。介助犬によってご主人の自立が進むことを期待する一方で、犬のお世話や訓練への関わりが増えることで、今以上に忙しくなるのではという心配も抱えていらっしゃいました。

こうした状況の中で、私たちは慎重に話し合いを重ね、今回は導入を見送る判断となりました。この決断は、ご本人にとっても、導入を応援していた関係者にとっても残念なものだったかもしれません。しかし、介助犬導入は「犬がいればすぐに生活が改善する」という単純なものではなく、家庭環境や支援体制が整ってこそ、本来の力を発揮できるものです。

今回の面談を通じて改めて感じたのは、「介助犬を迎える準備」とは、犬用の環境づくりだけでなく、家族がお互いの気持ちを安心して話せる場を整えることでもある、ということです。導入相談専門員の役割は、単に条件の合否を判断するだけでなく、ご本人とご家族が将来の生活をイメージし、課題や不安を共有できる関係づくりをお手伝いすることにあります。

介助犬は、ご本人にとって頼れるパートナーであると同時に、家族にとっても新たな生活の仲間です。その存在が喜びや安心をもたらすためには、導入前の段階からしっかりと話し合い、心と生活の準備を整えていくことが欠かせません。今回の経験は、私たちにその大切さを改めて教えてくれました。

本日は、以上です。

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